9月17日、一年間の闘病生活の末、愛犬の殿が13年の生涯を終えました
ちょうど一年前、娘が生まれた日の朝
口の中に大きな腫瘍ができているのを見つけ
検査したところ悪性のメラノーマができていることがわかりました。
口の中にできた悪性の腫瘍は転移が早く
高齢だったこともあり長くはないのかと思われましたが
病気ということを感じさせず、元気な姿を見せていました。
しかし、4月頃から歩くのがおぼつかず
先月には異例の猛暑のためか、エアコンの効いた部屋に
いたにもかかわらず熱中症になってしまい
徐々に元気もなくなり、寝たきりの状態が続き
介護の日々となりました。
そして9月17日、いよいよご飯もうけつけなくなり
呼吸も荒くなってしまい、そのまま眠るように天国へ
旅立ちました。
若いころの殿は、本当にやんちゃでパワフルで
その反面、とても怖がりだったため、大学にいたころは
ジャックナイフのようにキレキレで、正直、とても大変な犬でした。
大学での生活は不安定な部分もあるため、2歳の頃に我が家に
家族として迎え入れてからは、環境が安定したこともあってか
とても落ち着いて非常に優しい子へと育っていき、年を取るごとに
温厚な性格へと変わっていきました。
年を取ってからはなかなかSDSに参加することはありませんでしたが
若いころは、いつも一緒に参加して練習したり
たくさんのイベントに参加したり、仕事もプライベートも常に
一緒に行動を共にしてきました。
大学院卒業、会社を起業、結婚、子供が生まれる
僕の人生の中で一番楽しことや辛いことなど目まぐるしかった
20代後半から30代にかけて、彼はいつも一緒にいて
僕を支えてくれました。
彼からは本当にたくさんのことを学ばせてもらいました。
人と犬の絆、犬のしつけやトレーニングの楽しさ、
犬の持つ能力の素晴らしさ、そして自分の描いていたシェパード像
を大きく変えてくれ、シェパードが犬の王様と言われ
世界各国で人気の犬種であることを実感しました。
公私ともに、彼との出会いによって僕自身大きく成長させてもらい
彼からでしか得られない本当に貴重な体験と経験をさせてもらいました。
きっと、彼がいなければ、今の自分はもっと薄っぺらい存在で
仕事に関しても成功できなかったことでしょう。
彼のおかげで、子供のころから思い描いていた夢に近づくことができました。
本当に家族同様の存在であり、息子にも大きな存在であったようで
火葬の際にはたくさん悲しみ泣いていましたが、命の大切さや
死というものを体感した息子も、本当に貴重な体験をすることができ
殿は最後の最後まで、僕たち家族に多くのことを教えてくれました。
まだまだ日が浅いのでぽっかりと心に穴が開いたようで
ふとした時に、彼との思い出がよみがえり
寂しい気持ちが込み上げてきます。
愛犬との別れの際は、いつもたくさんの後悔の気持ちに苛まれます。
殿にももっともっとしてあげられたことがあったのではと悔やむ
気持ちもたくさんあります。
しかし、殿からは本当に本当にたくさんのことを学ばせてもらい、
とても貴重な財産を残してくれました。
せめてもの罪滅ぼしになるよう、この財産を糧に自分のすべきことに
尽力しなければなりません。
我が家に来てくれて本当に本当にありがとう。
殿としか得られなかった素晴らしい経験をさせてくれて本当にありがとう。
もう苦しまなくていいから、天国に行ったらしばらくゆっくり休んで、
大好きなボール遊びでずっとずっと楽しんでください。