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子犬の頃から体を触る練習をしよう!

健康管理、動物病院での診察、トリミングなど、日常生活のなかで
ワンちゃんの体に触れる機会は非常に多くあります。

しかし、ワンちゃんが自らの意志で体を触ったり抱き上げられたり
することは平気でも、飼い主さんの都合でこれらの行為をされることに
抵抗したり、攻撃的になったりするワンちゃんは少なくありません。

飼い主さんの家に来たばかりの子犬(2~3か月頃)は、
個体差や犬種差はあるものの、そのほとんどが抵抗することなく
飼い主さんが触ったり抱き上げたりすることを受け入れてくれます。

しかし、飼い主さんが子犬の望まない触れ方や接し方を続けてしまうと、
体を触られることに嫌な(嫌悪的な)学習をしてしまうこともあります。

特に警戒心や恐怖心が強い犬種や個体では、体を触ったり拘束されたりすること
に不安を感じ、自分を守るために抵抗したり攻撃的になりやすいため、
早い段階から適切な対応をしながら体を触ることに慣らす練習が必要となります。

また、飼い主さんは触ることができても、動物病院での診察やトリミングなどで
飼い主さん以外の人から触られることに抵抗を示すワンちゃんも多いため、
子犬の頃から飼い主さん以外の様々な人に触られる練習も必要です。

そこで今回は、飼い主さんや飼い主さん以外の人に体を触られたり
拘束されたりすることに慣らす練習について紹介します。

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日常生活で気をつける触れ方・接し方

子犬のあどけない仕草や愛らしい姿を見れば、飼い主さんとしては
撫でたり膝の上に抱きかかえたりして可愛がりたくなるでしょう!

しかし、子犬に対する適切な触れ方や接し方を理解していなければ、
良かれと思った行為が子犬に警戒心や不安感を与えてしまうことがあります。
特に以下にあげるような触れ方や接し方は、多くの飼い主さんが
無意識のうちに行いがちなので、事前に理解を深め適切な対応を
心掛けるように気を付けましょう!

① 犬が嫌がる触り方をしない
 飼い主さんは、ワンちゃんを褒める際に不意に頭や顔をなでたり、
喜びのあまり激しく顔や頭をなでたりすることがあります。
 しかしその子によっては、このような褒められ方に恐怖を感じてしまい、
頭や顔に手をかざすだけで怖がる(ハンドシャイ)ようになってしまうことがあります。
 そのため、褒める際に体を撫でるときは比較的ワンちゃんが嫌がりにくい
胸元や背中などを優しくゆっくりと撫でるようにしましょう!

② 正面から抱きかかえない     
 犬は正面から覗き込まれることをあまり好みません。
正面から抱こうとすれば必然的に飼い主さんは覗き込む体勢になるため、
子犬は飼い主さんに抱かれる際に恐怖心を持ってしまうようなことがあります。
 そのため、子犬を抱きかかえる際には横から抱きかかえるように心がけましょう!

③無理やり捕まえようとしない
 飲み込んでは危険なものを子犬が咥えてしまった際、
飼い主さんは誤飲を防ぐために無理やり子犬を捕まえようとすることがあります。
飼い主さんの気持ちとしては、急いで取り上げないと危険であるという
焦りの気持ちから必死な対応をとってしまいますが、
その飼い主さんの緊迫した雰囲気から子犬に捕まることに恐怖心を持つようになってしまうことがあります。
 そのため、子犬を捕まえる際には、食べ物を与えるなど子犬にとって好ましいことと
捕まることを結び付ける練習を行う必要があります。

④ 鼻先(マズル)をつかんで叱らない
 以前から、犬を叱る際にはマズルをつかむ方法が有効的だと考えられてきました。
そのため、現在でもこのような方法で犬を叱る飼い主さんをよく目にしますが、
「体罰は使用しない」でも説明したように、体罰を使った罰は問題を更に助長させるだけでなく、
飼い主さんに対して恐怖心を持ち、咬みつくなどの攻撃へと発展させてしまうこともあります。
 また、マズルをつかんで叱ることで顔や口元などを触られることに恐怖心を感じるようになってしまうため、
マズルをつかんだ罰は絶対に避けるようにしましょう!

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体を触られることに慣らす練習をしよう!

「日常生活で気をつける触れ方・接し方」で説明したような
触られることに嫌悪感や恐怖心を与えてしまうような対応を避け、
同時に触られることに慣らす練習を行っていきましょう!

特に
  • 四肢の指先(指の間や爪)
  • 腹部
  • 目の周り
  • マズル(唇や口の中)
  • 耳(耳の中)
  • 尻尾
などの部位は触られることが苦手になりやすいが、
健康管理や診療の際には触れることが必須となるため
子犬の頃から慣らしておく必要があります!

① 触ることと犬にとって嬉しいこと結び付ける

触る練習をする際には、ただ触られることに慣らすだけではなく、
食べ物など犬にとって嬉しいことと触られることを結び付ける練習を
行った方が効果的です。

ロシアの研究者であるパブロフは、犬にベルの音を聞かせながら
餌を与え続けると、やがて餌を見せなくてもベルの音だけで犬が
よだれを流すことを発見しました。

このような学習を古典的条件付けと呼びますが、
体を触る練習でも体を触りながら犬にとって好ましい食べ物を与え続けると、
触るだけで好ましい感情が生じるようになります。

古典的条件付けを用いた練習を行うためには、
まずは少しの時間(子犬が嫌がらない程度の時間)
体を触ったら食べ物を与えるようにし、徐々に触る時間を延ばしていきます。
 
② それぞれの場所によって必要な触り方に慣らす

ある程度の時間触られることに慣れてきたら、①の方法と同様に、
以下のようにそれぞれの部位によって必要となる触り方を少しずつ慣らしていきましょう!

四肢の指先 指先全体を、手で握れるように練習する
腹部 指先で軽く押されることに慣らす(触診に慣らす)
目の周り 目の周りを拭けるように慣らす
マズル 「上唇をめくる」、「歯や歯茎を触る」ことに慣らしていく
耳の中に指が入れられるように慣らしていく
尻尾 「尻尾をつかむ」、「尻尾を持ち上げる」ことに慣らしていく
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